「国家の統計破壊」明石順平

題名からの想像通り、国の統計数値が恣意的なものであったことが解説されている。また誰によって・どのような経緯で・数値が歪められていたのかを追及している。
個人的には、立憲民主党の小川淳也氏がまともなことを質問していたことが最も驚かされた内容であった(筆者の台本を読んだだけだろうか)。

おもな題材はアベノミクス以降の賃金の伸び率。
時系列で同様の数値を用いるべきところ、ある時点で①サンプルを変更し、②ウェイト付けを変更した。比較対象の過去データを遡って変更しなかったため、突如賃金がグッと伸びたかのような数値が出現した。
アベノミクスが成功したことを示したかったのだろうか。

またなぜ統計数値を歪めたのかについて、筆者は国会などで徹底的に追及していたが、真相は闇の中であった。自民党の腐りっぷりには改めて溜息しか出ない。もともとアベノミクスなんぞ何ら成功実感はなかったものであったし、統計もウソ(しかも変更経緯も闇)でありすっきりした。

賃金伸び率の虚偽のほか、総雇用者所得の増加、就業者数の増加、有効求人倍率の上昇、失業率の低下、賃上げ2%および株価上昇など、アベノミクスと無関係であることも言及している。

また腐敗政治の理由の一つとして、「二大政党制」がないこと、経団連寄りの政策なども指摘。大企業よりの政策を「上からの経済政策」であり、いずれ下流の国民にも成果が行き渡るであろうというものがいかに楽観的なものであるかにも言及している。